「経営センスの論理」, 楠木健

「経営センスの論理」新潮新書, 楠木健

 

 【内容紹介(裏表紙より)】 

会社をよくするのに必要なのは、「スキル」よりも「センス」を磨くことである。会計技術であれ英語力絵荒れ、単なるスキルアップさせても「経営」はよくならない。「よい会社」には根幹の戦略に骨太な論理=ストーリーがあり、そこにこそ「経営センス」が光るのだ---。本格的な経営書として異例のベストセラーとなった『ストーリーとしての競争戦略』の著者が縦横に語り尽くす「経営の骨法」。

 

【印象的な表現や文章】 

「スキルであれば、それを習得するための何らかの方法がある。教科書があったり、教育機関があったり、研修のプログラムが用意されている。しかし、こうやったらセンスが身につくという標準的な手法はない。センスは他者が『育てる』ものではない。当事者がセンスある人に『育つ』しかない。センスは他動詞ではなく、自動詞だ。」(P.17)

 

「一橋大学の沼上幹さんが『カテゴリー適用』という考え方を批判している。何事もカテゴリーに当てはめて安直に納得してしまうという思考様式、これが諸悪の根源だ。『この会社はなぜうまくいっているのか?』という疑問に対し、『水平分業だから』とか、『この会社はグローバル化に熱心だから』とか答えたところで、『なぜ』うまくいっているのか、に答えたことにはならない。」(P.39)

 

 「だいたい飛び道具として取りざたせれるようなものは、多くの人がすでに気づいているし、自然とそそられるものばかり。競争戦略の本質は『違いをつくること』にある。」(P.41)