業務経歴書編

 

昨年は一次試験に合格し、この勢いで今年度(平成26年度)に技術士を取得する決意を固めました。

 

二次試験の申し込み時に、悩んだことが二つありました。

 

一つ目の悩みは、どの部門のどの選択科目で申し込むべきかです。

私のこれまでの経験から、対象となるのは「機械部門の機械設計」、「機械部門の情報・精密機器」、「機械部門の加工・ファクトリーオートメーション及び産業機械」、「経営工学部門の生産マネジメント」、「経営工学部門のサービスマネジメント」です。

 

社会人になってから現在まで機械製品の開発に従事してきたので、合格への近道は親しみのある「機械部門」の選択です。一方で、昨年度から経営工学に触れ、新鮮で面白かったこと、経営工学は技術士20部門(総合技術管理は除く)の中で唯一「ヒト」を扱う分野があること、などの理由から個人的な興味としては「経営工学部門」の選択です。合格への近道か、個人的な興味か、両者の選択にかなり葛藤しました。

 

もう一つの悩みは、業務経歴書の「業務内容の詳細(720字以内)」の書き方です。

 

日本技術士会の受験申込み案内には、以下2つの記入例が掲載されています。

 

【記入例1】業務内容の詳細

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立場と役割

〇〇〇〇プロジェクト××××建設業務(期間:平成XX年XX月~XX年XX月)のうち、△△△△に建設した輸出用大型原油タンクの鋼板設計、溶接設計及び□□のタンクメーカーへの建設全体の指導の業務を本業務責任者として行った。

業務上の課題

最新の国際基準を満たした国際大型プロジェクトの仕様と、□□国内法規に固執した□□建設業者の施工法をうまく調和させるという課題があった。□□人技術者、監督者、作業者の気質を理解しながら、彼らを納得させ、世界的に最新鋭な大型原油タンクの、設計から現場施工の完成までを指導せざるを得なかった。

技術的な提案

◇◇◇◇という極寒冷地(-XX℃の設計仕様)で建設、運転される大型原油タンク(容量999,999KL)の鋼板に、世界で初めて▽▽▽(ABCDE12345)を採用した。また、現場の側範(最大99MMT)の立向き溶接に半自動溶接を採用し、建設工程の短縮化を図った。

技術的成果

□□国内法(YYY,ZZZ)を遵守することはもちろん、「FGHIJK」などの国際規格を満足する最新仕様の原油タンクを□□に建設した意義は大きい。□□のタンクメーカーからは、世界的な技術競争力を得られた貢献で感謝状を受領し、□□□□からは高品質なタンクを安全に建設したことで評価された。

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【記入例2】業務内容の詳細

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業務の目的:本業務は、地球温暖化対策の推進に関する法律が規定する〇〇〇〇が策定すべき△△計画である。

技術的内容:1990年における温室効果ガスの年間排出量1,700万トンを2020年までに25%削減する目標を掲げた。この目標を達成すべく、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーへの代替、スマートグリッドの構築、電気自動車など低排出ガスの自動車の普及、ブルーカーボンへの取組などにより低炭素社会の構築を目指すものである。このため、◇◇企業はもとより、低炭素に関する先端技術をもった▽▽企業や大学、さらに××との連携を図った。これらの△△△△の大同団結により、世界最先端の技術の取組をし、日本国内の先進モデルを構築し、さらにはこの技術を、国内外に発信することにより、経済の発展を目指すものである。

立場及び役割:本計画策定プロジェクトリーダー、技術統括リーダーの立場で関係機関との調整を行った。

成果:これらの計画は、他の□□□□の参考となるとともに、韓国、中国などアジア地域及びスペイン、カナダなどからも評価され、〇〇〇〇会議に□□が招聘され、取組を発表するなどの技術紹介がなされた。また、これらの取組により、平成20年には◇◇から『環境モデル××』に、平成22年には『次世代エネルギー社会システム実証××』、さらに平成23年には『環境未来××』に認定された。今後、これらの成果を活かし実証事業に対する◇◇からの△△△導入、技術支援が得られた。

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これらの記入例を読んで、本当にこの書き方で良いのか疑問に感じました。

なぜなら、両方ともに成果のすごさは伝わりますが、技術士法第二条に記載されている「高等の専門的応用能力」が伝わってこないのです。^^;

業務経歴書は口頭試験にも影響するので、良いものを作成したいという想いから、インターネットで調べていくうちに、有償で書き方を指導をしてくれる会社がたくさんあることが分かりました。

そして、上記の記入例の書き方は、推奨していないことも分かりました。

指導してほしいけど、高い。。。>_<

 

結局、「業務内容の詳細(720文字以内)」は自分で考えるしかないと諦め、技術士法や色々なサイトから情報を集めて記入上のポイントを独自に分析し、「業務内容の詳細」の書き方というコンテンツを作成しました。そして、平成26年5月7日に二次試験を経営工学部門(サービスマネジメント)で申し込みました。

 

技術士試験の申し込みには、業務経歴書が必要です。業務経歴書は口頭試験に大きく影響するため、適切に記載することが非常に重要です。