「大局観」, 羽生善治

 

考え抜いても結論がでなければ「好き嫌い」で決めていい

▼「選択肢」が多いことは迷いにつながる

▼「感情」の起伏が生むエネルギーをつかむ

▼「視野」を広げてリスクを軽減する

▼「慣れ」によって心の余裕が生まれる

▼「自己防衛」で疲れきった心は癒しを求めている。

▼「野生のカン」で難局に立ち向かう

 

【印象的な表現や文章】 

「家族や地位や名声や収入など、守るべきものが増えてくると、若いころのようなチャレンジ精神や知的好奇心は失われ、リスクを取るのを厭うようになるというパラドックスも抱え、停滞が始まる。」(P.38)

 

「その集中力をより深くする方法の一つは、『可視化が難しいテーマ』について考えることだと、私は思っている。」(P.64)

 

「・・・ある一定数の人々がモチベーションの低下という”病気”にかかってしまうと、その感染力はきわめて強く、他の人々がどんなに頑張っても、どうすることもできなくなるケースもあるからだ。」(P.71)

 

「ただし、情報や知識を集めたとしても、それだけでは大きな意味や価値を持たない、あるいはその価値は日々、下落を続けていると私は感じている。なぜなら、知識は実際に活用することによって、初めて意義を持つからだ。」(P.125)

 

「きちんと論理立てをして説明できるのが直感で、なんだかわからないがこの方がよいと考えるのが閃きなのだそうだ。」(P.133)

 

「誰もが正当なことをしているにもかかわらず、社会全体で見た場合には、芳しくない状態を生み出している。この状態は、『合成の誤謬』と呼ばれる難題で、原因を特定できないだけに始末が悪いのだ。」(P.140)

 

「手塚治虫さんは、後輩から、『どうしたら上手に漫画が描けますか?』と訊かれた時、『どんなジャンルでも一流の作品にたくさん触れなさい』と、答えたという。」(P.169)

 

「人生は突き詰めてはいけないと思う。何のために闘うのかは、七十歳になってからじっくり考えたいと思う。」(P.234)