「少しだけ、無理をして生きる」, 城山三郎

 

大変な無理だと続かない。大事なのは、ほんの少しだけ、自分を無理な状態に置く。つまり挑戦をし続けることなのだ。城山が魅了され、小説の題材とした『落日燃ゆ』の広田弘毅、『男子の本懐』の浜口雄幸、『雄気堂々』の渋沢栄一。彼らは皆、自らの利を計らうためではなく国家のために闘った。真の人間の魅力とは何か。城山三郎が語り尽くす。解説・佐々木常夫。『逆境を生きる』改題。

 

【印象的な表現や文章】 

「魅力のない人とはどういう人か・・・周りに大勢いるということは、人間はつい、すぐに型にはまった暮らしをしてしまうのです。あるいは型にはまった人間になってしまうのです。」(P.13)

 

「つまり、魅力を作っているのは<初心>というものなのですね。」(P.14)

 

「初心を持ち続けるとは、どういうことでしょう。・・・これは、自分に安住せず、自分というものを無にして、人から受信し、吸収しようとする生き方です。」(P.17)

 

「良くも悪くも、一人ひとりの個人が生きがいや楽しみを見つけていかざるを得ない時代になってきた。個々人が、激動する時代の中で長い人生を乗りきるために、柔軟に生きていかなくてはいけない。」(P.152)