「死ぬほど読書」, 丹羽宇一郎

 

もし、あなたがよりよく生きたいと望むなら、「世の中には知らないことが無数にある」と自覚することだ。すると知的好奇心が芽生え、人生は俄然、面白くなる。自分の無知に気づくには、本がうってつけだ。ただし、読み方にはコツがある。「これは重要だ」と思った箇所は、線を引くなり付箋を貼るなりして、最後にノートに書き写す。ここまで実践して、はじめて本が自分の血肉となる。伊藤忠商事前会長、元中国大使でビジネス界きっての読書家が、本の選び方、読み方、活かし方、楽しみ方を縦横無尽に語り尽くす。

 

【印象的な表現や文章】 

「組織のリーダーは、人間というものへの深い洞察と理解が求められる立場にあります。」(P.74)

 

「問題は人との関係であり、一人で解決するものでもない。他人への想像と共感が、解決へ導いてくれる。問題がある限り、またそれを解決する答えも必ずどこかにある。問題があるというのは、生きている証だ。問題があることを喜べ。」(P.143)

 

「むしろ人間への理解が浅く、人間性が偏っていれば、どんなに知識があっても、品性は下劣になったりします。」(P.153)