「影法師」, 百田尚樹

 

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。下級武士から筆頭家老にまで上り詰めた勘一は竹馬の友、彦四郎の行方を追っていた。二人の運命を変えた二十年前の事件。確かな腕を持つ彼が「卑怯傷」を負った理由とは。その真相が男の生き様を映し出す。『永遠の0』に連なる代表作。

 

【印象的な表現や文章】 

「学問で人の道の心理を究めた先に待っているものは何じゃ・・・すべての学問はつまるところ、世のため人のためになるものではないかの。」(P.27)

 

「武士たる者、不遇のうちにあってこそ、本当の姿が出る、と。」(P.323)