「打たれ強く生きる」, 城山三郎

 

自分だけの時計、歩け歩け、ぼちぼちが一番、配転は新しいはじまり、ふり回されるな、乱反射する友を---常にパーフェクトを求め、他人を押しのけることで、人生の真の強者となりうるのか?企業の中にあって自分を見失わず、しかも企業に最高の寄与をなすことはどのようにして可能か? 著者が日々に接した事柄をもとに、ビジネスマンへの愛情をこめて静かに語りかける。

 

【印象的な表現や文章】 

「自信などというものは、まともに考えれば、だれでもなくなってしまうかも知れない。・・・『大丈夫だ、大丈夫ですよ』と、ひとにいい続ける中で、自分自身にも同じ言葉をいいきかせ続けているのかも知れない。」(P.34)

 

「メーカーの規定どおりに機械を動かしてたんじゃ、決してもうかりはしませんよ。」(P.108)

 

「『あいつは」あの程度の人間だ』と決めつけてしまうことから、多くのまちがいが生まれる。『あの程度の人間』の中にも、やはり強みや不可知のものがある。」(P.126)

 

「生き方がはっきりしていて、不動である。権力や贅沢に心ゆらぐようでは、打たれ強い男になれるはずがない。」(P.145)

 

「人生の持ち時間は限られている。その中で、時間を忘れるほどの陶酔をどれほど多く持ったかで、人生の価値が決まるような気がする。」(P.188)