「熱狂宣言」, 小松成美

外食業界のスター、東証一部上場企業・ダイヤモンドダイニング社長・松村厚久。圧倒的な情熱と才気で業界を革新し続け、さらなる躍進を夢見る彼には、決定的な宿命があった。誰にも言わず、進行する若年性パーキンソン病と闘い続けていたのだ---。人知れず涙しながらも自分を鼓舞し、闘い続ける日々を克明に綴る、感動のノンフィクション。

 

【印象的な表現や文章】
「業界柄いろいろな社長様にお目に掛かる機会が多かったですが、こんなに人のために一生懸命で、常に笑いを絶やさず気遣い屋で、部下を信頼して権限を委譲し、強い信念を持つ野心家で、みんなから愛され、人を引き込むオーラのある方に私は会ったことはございません」(P.75)

 

「前職のオーナー企業の社長は、1から100まですべて自分の指示に従えというタイプでしたので、ダイヤモンドダイニングのように、1から99までは好きにやっていいよと言ってくれる会社もあるのだなと思いました。」(P.200)

 

「人に教えたことで自分のビジネスがマイナスになることを考えるんだったら、話をするわけがないし、ノウハウやスキルの話をして、それで現れたライバルに負けるようだったら、自分の努力が足りないだけでしょう」(P.264)

 

「お金って、自分のために必要なように聞こえるけど、実はそれだけじゃない。誰かに認められたいとか、家族を守るとか、後輩にご馳走するとか、そのために必要なんです。貧乏すれば、お金の大切さは知っている。だから、稼ぐ方法にも、真剣になれる」(P.267)

 

「松ちゃんは心の中で、自分に従うかどうかを試してんねや。・・・」(P.275)

 

「人間って、やってもらったことに対して、お互い様やけど、その人のためにやりたいとか、その人のためになりたいと思っていると、自然ともっといいことがどんどん広がっていくんだなって、その時思ったよね」(P.280)

 

「人の中心にいながら周囲を注意深く見つめ、個よりも集団の未来を考える。競い合うことよりも和を尊び、助け合うことに美徳を感じている。拙き者には自分が有する知恵や環境を容易く提供してしまう」(P.297)